呪術廻戦 感想

1期は面白かったけど2期が蛇足。要素要素で光るところはあるが、他の要素と喧嘩する。

【良いと感じたところ】

領域展開の「技が必中になる」という効果は、回避という逃げ道を無くす点で能力バトルを真摯にやる意思を感じられた。

また、能力開示も「自分の能力を明かすなんてなんでそんなことをするんだ」といったよくあるツッコミに対する回答になっていたように感じる。

これらにより古典的な能力バトルものの欠点を補完していた点は現代の作品だなと感じられた。1期最後の真人戦は敵と主人公の能力がしっかりかみ合っており、良い能力バトルを行っていると感じた場面もあった。

戦闘は後半こそジャンプもののように派手に吹き飛ばしあうだけになるものの、中盤までは比較的しっかりした格闘シーンを見ることができる。

【面白くないと感じたところ】

領域展開を行えるキャラは元々非常に強く、確実に相手を倒せる技を持っている。そのため、必中化との相性が悪く、領域展開の設定は活かしきれていない。藤堂葵の位置入れ替えなど、もともと必中の技も存在するため、単にキャラクターのパワーを描写する要素にしかなっていないと感じた。

作中キャラの能力がバトルの駆け引きに活きにくいものが多い(七海の物体を7:3に分ける点を弱点とする能力等)他、特別な能力を持たないキャラも少なくない。この作品の"術式"もまたキャラのパワーを描写するための手段でしかない点は、作中で度々入る解説の量を考慮するとちぐはぐな印象を受ける。

シナリオ面では主人公側にほとんど瑕疵が無いのにバッドエンドで終わる点も気になった。2期まで見た感想として、この作品の主題がわからない。あれだけ人を殺した真人が主人公によって殺されず、本来殺されるべき主人公が生きているところを踏まえると、「正しい死なんて無い」とかだろうか(それでもこんな書き方をする必要はあったのかとは思うが)。味方の被害はかなりグロテスクに書かれるのだが敵についてはそうでないため、見ていてフラストレーションが溜まる。

 

原作ではまだ続きがあるためこれから先面白くなる可能性はあるが、2期終了時点では風呂敷をたたみ切れずにバッドエンドになったという印象が否めない。

 

面白くないアニメの感想が続いてしまったが、フリーレンがすごくおもしろかったので早くフリーレンの感想を書きたい。